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私たちは地元の特産物である北山杉やひのきを使ったサウナやバスタブを通じて、

大自然の中での健康的な癒し、人々の交流や楽しみを提供していきたいと考えています。

杉やひのきが香る大自然からの恵みを感じつつ、心からリラックスできるひと時を共に過ごしてみませんか?


 

始まりのストーリー



京都市北部地域は北山杉やひのきの産地として林業が盛んでした。北山杉やひのきは美しい景観美を作るとともに、遥か昔の室町時代から数寄屋造りの高級日本建築にはなくてはならない特別な木材として育てられていたのです。特に京北産の北山杉やひのきは磨き丸太、絞丸太として、昭和の時代まで付加価値のある建材として大きな需要がありました。

戦後の国土復興のために、杉やひのきの植林を推奨する政策もそれらを後押ししました。




けれども、家屋の建築様式の西洋化や安価な輸入木材が入って来たことにより、北山杉やひのきの需要は減少し、かつてほどのニーズはなくなっていきました。

それと重なるように、林業従事者の減少や老齢化により、それまで丁寧に整備されていた山林が放置され始めたのです。大量に人口植林された木々は伐採時期を迎えていましたが、それを切る人がいないのです。




ひろ農林が所有する山林も、先代、先々代が植林した杉やひのきはすでに伐採時期を迎えています。長い年月をかけて大切に植え育てられた木々を薪やチップなど燃料にするのは、どこか空しい気持ちになります。これらの木を、何か新しいアイデアで多くの人に喜ばれるような利用方法はないかと考える日々が続きました。




山から木を出すのは簡単ではなく、まずは林道を確保し、急斜面に生えている木を伐採して里まで降ろさなくてはなりません。それを乾燥、製材し、さらにそれを運搬したり加工したりする工程も必要です。

大がかりな機械や大勢の人数、有り余る予算があればスムーズに事は進むかもしれません。けれども、日本の多くの山林管理者がそうであるように、私たちのような小規模林業家はどうしたらいいのでしょうか?


私たちが導き出した一つの答えは「自伐」という概念です。高額な費用がかかる専門業者を頼ることなく、山林管理者自らが、計画的に持続可能な小規模伐採と植林を続けていく、山林の管理保全方法です。

ひろ農林では2016年より、林道づくりから始め、自伐型林業をスタートしました。




伐採、運搬、そして乾燥させた丸太は、次に製材する必要があります。大規模製材所のような大型機械を導入することは予算的に無理があります。

そこでひろ農林では機械化が進んでいるヨーロッパの林業に着目し、スウェーデンLOGOSOL社製のポータブル製材機や、イタリアSCM社製の小型マルチ製材加工機を輸入することにしました。




それらの機械を使うことにより、自ら木を切り、乾燥させ、製材や加工はできるようになるでしょう。ではその木を使って多くの方に喜んでいただくにはどのようにしたらいいのでしょう?


イタリア~京都京北共同プロジェクト 

杉やひのきが香るサウナやバスタブ





そこで感じたのは、京北の大自然の中で、北山杉やひのきを使った木製のサウナやバスタブで、思い切りリラックスしてみたい、という自らの想いでした。

そして、大自然が大好きな人、サウナをこよなく愛する人、また、疲れやストレスを抱える人々と、同じ心地よさを共有してみたいという想いも生まれてきました。

ロゴソル社製の製材機を使っての製材やSCM社製の製材加工機を使いこなすために、現地で通算 4~5か月研修を積みました。

既にそれらの加工機械を使いながら木工の世界で活躍しているスイス人のカルロ氏、イタリア人のラウル氏とご縁をいただき、様々なことを学ぶことができたのです。





師匠であるラウル氏からバレルサウナのデザインや設計、制作までを学び、実際にイタリアで現地産の杉やひのきを製材してバレルサウナとバスタブを制作しました。

燃料も現地調達した木材の薪を使った、地産型の再生可能なサウナとバスです。




京都京北でのサウナとバスタブの設置


イタリアで制作したサウナやバスタブは1度ばらし、船便で京都京北まで運び込みました。まずはイタリアで制作したこれら2つを、京北の地に設置して稼働させることが急務です。

イタリアから来日した師匠のラウル氏と、デッキやシャワーコーナーなど細かい施設も作り込みながら、二人で40日間休みなく作業に集中しました。




初めての試みゆえ数々の困難はありましたが、カルロ氏やラウル氏に助けられながら、京北の地にバレルサウナとバスタブを設置することができました。

テスト試運転ではサウナの温度上昇も上々、素晴らしい眺めのもとでサウナやバスを楽しむことができるようになりました。



次は京北の北山杉やひのきを使ったバレルサウナとバスタブを作ることが目標です。

私が愛するこの土地で長い年月を経て育てられた北山杉やひのきを有効に活用しながら、大自然やリラックスが大好きな方々と共に楽しみたいと考えています。


本来この土地は無限の潜在力を秘めていると信じています。新しい魅力を発掘することで、過疎化や高齢化による人口減少に悩むこの京北の地に、今までになかった人の流れ、そしてその魅力に惹かれて定住を望む人々や、新しい雇用が生まれることを心から願っています。



この北山サウナプロジェクトが、一つの大きなきっかけになることを信じながら。








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